青い山脈 (1949)

石坂洋二郎文学の大ヒット作である小説「青い山脈」を監督今井正が映像化した作品である。同名の主題歌も歌謡史に残る国民的愛唱歌として一世を風靡し、世代を超えて多くの人々に受け入れられた人気作品。『若い人』『馬車物語』等の石坂洋次郎の原作を井手俊郎と今井正の協同脚色。今井正が演出を担当する。カメラは中井朝一。前編

監督:今井正
出演:池部良、原節子、龍崎一郎、杉葉子、若山セツ子、木暮実千代、飯野公子

青い山脈 (1949)のストーリー

ある片田舎町の駅前。金物商丸十商店の店先に一人の女学生が「母が手元に現金がないからこれを町へ持って行って学用品を買いなさいって……」と小さく海光女学校五年生寺沢新子と書かれたリュックの米をつき出した。留守番の六助(池部良)はドイツ語の教科書を放り出して大儀のついでに御飯を炊いてもらう。だんだん事情を聞いてみると母を二人もつ新子(杉葉子)だった。一方英語教師・島崎雪子(原節子)は新子あてにきたラヴレターを見せられて、友達のいたずらだという彼女の言分に、何かしら尋常でない性格をつかみ、まして前の学校で転校を余儀なくされたこの娘に力になってやりたい衝動にかられる。そしてライ落な校医の沼田(龍崎一郎)にこの問題を相談するが意外な答えだったのでついなぐってしまう。雪子は恋愛の問題を講義しつつ偽のラヴレター事件を直接生徒達に説いてゆく。しかし生徒達は「学校のために」やったといい、その理由として新子の行動を六助と結びつけて曲解した例をあげた。雪子は生徒達の旧い男女間の交際の考え方を是正しようと努力するが、それはますます生徒達の反感を買うばかりだった。教員仲間でも雪子の行動を苦々しく思い民主主義のはき違いなどといいつつ問題は次第に大きくなっていった。新子はその渦巻の中にあっても、高校生の六助や富永たちとつき合って行く。ついに学園の民主化を叫ぶ名目で新聞にまで拡がり、沼田も黙っていられず、雪子の協力者となるが、暴漢に襲われる。

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