秋日和 (1960)

亡夫の七回忌を終えた美しい未亡人と、婚期を迎えた娘の間に起きる小さな心の波風を繊細に描くドラマ。里見弴の原作をもとにシナリオ化した作品で、この趣向は『彼岸花』(1958年)に続いて2本目。長年、多くの小津作品で娘役をつとめてきた原節子が初めて母親役を演じ、端役で登場した岩下志麻は本作で小津に見出されて『秋刀魚の味』のヒロインに抜擢される。

監督:小津安二郎
出演:原節子、司葉子、岡田茉莉子、佐分利信、中村伸郎、北竜二、佐田啓二、渡辺文雄、笠智衆

秋日和 (1960)のあらすじ

亡き友の三輪の七回忌に集まった間宮(佐分利信)、田口(中村伸郎)、平山(北竜二)の三人は、未亡人の秋子(原節子)とその娘アヤ子(司葉子)と談笑するうち、年頃のアヤ子の結婚に話が至る。三人はなんとかアヤ子を結婚させようと動き始めるが、アヤ子は母親が一人になることが気がかりでなかなか結婚に踏み切れない。間宮の紹介で知り合った後藤(佐田啓二)とアヤ子がお似合いだと考えた三人は、アヤ子が嫁ぐ気になるためにはまず母親が再婚することが先と思うがうまくいかず、秋子の再婚相手として話が進んでいると勘違いした平山は一人有頂天になる。その再婚話を誤解したアヤ子は同僚の佐々木百合子(岡田茉莉子)に相談し、憤慨した百合子は間宮らを一堂に会させて散々にやりこめる。彼らの説明を聞いてようやく百合子の誤解も解け、母娘の結婚話が進むことになる。しかし秋子は娘と二人で出かけた旅先で、自分は一人で生きていく決意を伝え、娘の背中を押す。娘の結婚式を終え、アパートに戻った秋子は静かに微笑を浮かべるのだった。

秋日和 (1960)のストーリー

亡き友、三輪の七回忌に集まった間宮(佐分利信)、田口(中村伸郎)、平山(北竜二)の三人は、未亡人の秋子(原節子)とその娘アヤ子(司葉子)と談笑するうち、年頃のアヤ子の結婚に話が至る。三人はなんとかアヤ子を結婚させようと動き始めるが、アヤ子は母親が一人になることが気がかりでなかなか結婚に踏み切れない。間宮の紹介で知り合った後藤(佐田啓二)とアヤ子がお似合いだと考えた三人は、アヤ子が嫁ぐ気になるためにはまず母親が再婚することが先だという結論に至る。たまたま、男やもめになっていた大学教授の平山に再婚してはどうかと悪友の二人が持ち掛ける。当初、そんな気はないと言っていた平山だったが、息子に相談すると「それは再婚したほうがいい。」と言われ、どんどんその気になっていくのだった。一方、まだ秋子に平山の話もしていないのに、間宮はアヤ子の結婚を進めるために「お母さんには再婚の話がある。」とアヤ子に口走ってしまう。その再婚話を真に受けて、母への怒りを抑えきれないアヤ子は同僚の佐々木百合子(岡田茉莉子)に相談する。秋子から真相を聞いて憤慨した百合子は間宮らを一堂に会させてけちょんけちょんにやりこめるのだった。

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